心の不安や動揺を解消し、元気にしてくれるハーブ。
ギリシャ語で「健康になる」という意味をもつバレリアン。
その名の通り、優れた薬効をいくつも持っている万能薬で、特に古くから優れた鎮静作用があることで知られています。
古代ギリシャ時代では、安眠のハーブとして芳香欲として利用されていました。
また、イギリスでは、第一次世界大戦や第二次世界大戦で兵士が弾丸恐怖症になった際の治療に利用されていました。
それほど、精神的な緊張などを解きほぐすといった鎮静作用に優れているのです。
では、そんなバレリアンのハーブティーとしての効能を見ていきましょう。
ハーブティーとしての効能
バレリアンティーは、中枢神経に対する鎮静作用があることから、ストレスからくる不安や頭痛を緩和するのに役立ちます。
また、神経がたかぶったり、興奮して眠れないときに飲むと、神経を鎮めて心地よい眠りを誘うでしょう。
他にも、バアレポトリエイドという成分が含まれており、これには抗けいれん作用があります。
筋肉のけいれんをときほぐす作用もあるので、肩こりや緊張性の腹痛、胃痛などの緩和にも役立ちます。
その他、生理痛の緩和や、月経前症候群や更年期障害の不安の緩和など、女性特有の症状にも役立ち、また、血圧を下げる作用もあります。
ちなみにですが、園芸用として利用されているアメリカンバレリアンには薬効がありませんので、注意しましょう。
作用
精神安定、抗けいれん、去痰、利尿、駆風、血圧降下、鎮痛、鎮静
味と香り
腐敗臭といわれうほどの鼻をつく独特な香りで、苦い草のような薬っぽい味わい。
ブレンドして飲用するのがお勧め。
注意事項
- 香りが強く、また、多量の摂取により頭痛や血圧上昇が起こるので注意が必要です。
- 長期に渡っての使用も避けましょう。
- 妊娠中の方や、子供への使用は避けましょう。
どんなハーブ?
バレリアンは、ヨーロッパを原産とするオミナエシ科カノコソウ属の多年草です。現在、世界中の温帯地域に生息しています。
古くから薬効があることで知られており、学名はラテン語で「健康である」という意味を持っています。
和名は「セイヨウカノコソウ(西洋カノコ草) 」と呼ばれており、鹿の小絞りのように見えることから、この名がついたと言われています。
データ
学名 | Valeriana officinalis |
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英名 | Valerian(バレリアン) |
別名 | – |
和名 | セイヨウカノコソウ(西洋カノコ草) |
科名 | オミナエシ科 カノコソウ属 |
分類 | 多年草 |
原産地 | ヨーロッパ |
ティーに使う部分 | 根 |
主要成分 | バアレポトリエイド、精油、アルカロイド、イリドイド類、コリン、タンニン |